毎日がゴミの日

はきだめ

9

元カノコンプが消えない。

別に彼氏から元カノの話を進んで話されているわけではない。

元カノコンプが消えない。

別に元カノと比べられているわけではない。

 

とにかく元カノコンプが消えない!!!!

 

 

私は今まで何も知らなくて、男と二人でどこかに出かけるという経験も皆無で、男から可愛いと言われたことも、まして好きと言われたこともなくて、何もかもを彼氏から教えてもらった。

全ての初めての経験は、彼氏とした。

 

それなのに、彼氏は2年付き合った元カノと一通りの初めてを経験しているのだ。

初めてどこかにデートをしたのだって、初めて手を繋いだのだって、初めて好きと言い合ったのだって、全て全て、彼氏の初めての相手は私ではない。

 

 

初めての経験は、全て私の中でキラキラと輝いて存在している。初めて好きな人と結ばれたときは、このまま死んでも構わないとすら思った。

そこまでではなくても、初体験には何かしら特別な感情を抱くのが大抵の人間だ。

 

 

彼氏もきっと例外ではない。

だから、私が「初めての○○はいつ?」と酒に酔った勢いで書いたときだって、すんなりと教えてくれたのだ。

ずっとずっと、初めてを教えてくれた元カノは、彼氏の中で残り続けるのだ。

 

 

それって、もう私に勝ち目はないのと同義だ。

たとえ、「今の彼女は私」だと慰められようと、そんなの私の傷を癒すには値しない。

元カノの存在を綺麗さっぱり忘れてもらうか、あるいは死ぬしか方法はないのだ。

 

そんなの無理だ。

だから私は彼氏と付き合っている限りは、一生この傷を背負って行きていかねばならないのだ。

 

 

 

拷問に等しい。

私に元彼がいたらまた違ったのだろうか。

少しはマシだったりするのだろうか。

 

 

 

わたしの顔も存在すらも知らないであろう人間に、どうしてここまで翻弄されなければならないのだろう。

考える方が馬鹿なのは百も承知だけれど、考えないなんて到底無理で、どうしても気にしてしまう。

 

きっと楽しい思い出なんて2年もあればそこそこにできるだろうから、その場所、似たシチュエーション、匂い、音、あらゆるものが記憶の鍵となり、元カノに想いを馳せるのだろう。

つらい。本当に辛い。ギチギチと首を締めてくる。

どこにも存在していないけれど、はっきりと存在している元カノに、私は殺されそうになっている。

 

 

 

 

私は自身の重さと面倒っぷりを痛いほどに思い知った。

愚かなことに、自分から元カノの話を聞いてそうして見事に刺された。

初めて手を繋いだのはバイトの帰り。

まだ付き合ってないときで、元カノからしてきてびっくりしたんだって。

 

ねえ、こんなの特別な思い出に決まってるじゃない。

 

大学2〜3年の時に初めてできた彼女。

 

可愛くて、あっちから好きだと言ってきて。

 

そんなの特別な存在でしかないじゃない。

 

 

青春時代を捧げた相手なんて、頭が忘れても魂が、心が死ぬ気で記憶のかけらを離さない。

 

 

私が一番知っている。

片思いですらそうなのだ。

 

 

 

 

 

一生この傷は癒えないのだ。

どれだけ楽しい時間を過ごしても、どれだけ長くいようとも、きっと死ぬまで苦しむのだ。

わたしが彼を好きでいる限り、生きている限り、元カノにならない限り。

 

 

 

未来より、過去なのだ。

だって、未来は変えられるけど過去は変えられない。

その事実は永遠に残る。

 

 

ずるいよなあ、元カノって。

あっちがなんとも思ってなくとも、こうやって他人を苦しめて。

わたしは生きる価値すら疑い始めるというのにさあ。

確かに肯定してくれる存在がいるんだもんなあ。

何が元より今なんだろう。

今なんて変えられる可能性があるというのにね。

元は変わんないんだよ。

 

 

ああ、ずるい。