毎日がゴミの日

はきだめ

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幸せでしょうがない。

私が祝われたんじゃなくて、祝った立場なのにこんなに幸せになったのはきっと初めてだ。

 

 

2月2日は、大好きな先輩…彼氏の誕生日だった。

3週間前くらいから、「何をしようか?」と一人で悩んだ。

ずっと忙しいプロジェクトで残業続きやったから温泉旅行でもプレゼントしようか?

クリスマスのディナーが嬉しかったから、私もお洒落なレストラン予約しようか?

 

でも結局、私しかできないことがしたくて、手料理を振る舞うことにした。

そのプラン自体については、そう細かく書くつもりはない。ただ簡単な前菜と、ビーフシチューとコロッケとケーキを作った。それくらい。

 

手紙を出したり、材料を買ったり…一週間強、毎日仕事終わりに少しずつ準備を進めていくうちに、あっという間に当日を迎えた。

 

 

 

 

 

結果的には、大成功だったと思う。

すごく喜んでくれた。本当に嬉しかった。

 

ただ、それだけじゃなくて、2月2日〜3日の2日間が幸せの塊すぎたので、こうして筆をとるに至ったのである。、

 

時系列的には並べず、これを書いている今思い出した順に書いていこうと思う。

 

 

 

 

付き合う前、私がまだ片思いだった時期。

去年の8月半ばに誘われて4人で飲みに行った時にはもう既に私の好意は伝わっていたわけだが、先輩は私と距離を置くつもりだったらしい、という衝撃的な事実を知った。

「実はさあ」と、めちゃくちゃ軽いノリで言ってくるので、そんな大したことないやろ、という気持ちで「なんですか?」と聞いた私が馬鹿だった。ものすごい爆弾だった。

 

「え????!!!!?それは、それは、好きじゃなかったから、、とか?」

 

 

 

 

先輩は、告白時に言った。

「研修の時くらいから気になってはいた」と。

まさか、その言葉はあの雰囲気で言っただけの言葉だったのか、と一気に不安になってしまった。

 

 

 

「そういうわけではなく、申し訳ないなと思って。社会人になってすぐに研修で関わったってことで、自分で言うのもどうかと思うけど、先輩だから、みたいな補正がかかってるんじゃないかと」

 

 

それを聞いた瞬間、こんなところで言うのもなんだけど、好きが溢れてしょうがなかった。全てを聞くか聞かないかの食い気味のタイミングで抱きついた。

補正なんてかかってなかった、とは言ったけど、今冷静になるとかかってたのかもしれない。

私は仕事やら、とにかくできる人が憧れ対象だし、慕うし、大好きになる。だから、研修時代に一番その様を見た先輩に対して、恋愛感情より先に尊敬の気持ちを抱いた。

その尊敬の気持ちを、恋愛感情にスライドさせたのは、多少はその補正の力もあったと思う。

でも、少人数、はたまた二人で飲んだりしているうちに、補正されていた部分ではない、内面をしっかりと見ることができて、そこに惹かれていったから、今となってはそんなのどうでもいいんだけどさ。

 

先輩も、「まあ結局そんなのことを考えているうちにグイグイ来たからまいっかってなったけど笑」とか言ってたし。まいいんかいな。

 

 

 

 

 

あと、私が安いご飯(チェーン店)だろうがなんだろうが楽しめることに喜んでた。2日目のお昼、先輩の好きな丼を出す店に連れてってもらったんだけど、見事に男ばっかりだった。

私はなんとも思わなくて、「さすがこういう店だと男ばっかなんやなあ」とか考えてたくらい。

ふつうに美味しくて、途中「これ入れると美味しいよ」と調味料を渡され色々と楽しんでたくらい。

店を出てすぐ、「いやー、もち(私のあだ名)がこういうお店楽しめる人でよかった」といった。

「デートで牛丼屋とかファミレスとか嫌だっていう人間もいるんでしょ、会ったことないけど笑」

ああ、たしかにと続けて言った。私はそんなこと考えたこともないし、私の周りの友人にもそんな高飛車クソ女なんていなくて、もはやフィクションの世界の住人ではないかと思い始めてはいるが、一応そういう人種がいることは知っている。(むしろ昔の私の大好物なネタですわよ)

 

先輩は、付き合う人の条件に、「お酒が飲める人」を挙げていた。

多分、美味しいものを食べることが好きで、それを人と共有することの優先順位が私より高い。

私は食べられればなんでもいい精神で生きているから。この先輩の価値観が私に浸透すれば、美味しいものをもっと楽しめるようになるわけで、さらに人生充実するんじゃないかな(大袈裟)とか思ったりもした。

 

 

 

 

 

1日目、2人でカフェに入った時。

 

「昨日行った銭湯で、2人の子供が「ママ25歳なんでしょ!!嘘ついてた」って大きい声で言っててさ、お母さんは「ママは20歳!!」って反論してて面白かった」

という話があった。

 

「25歳で2人の子供ってすごいよね」

とかなんとか言ってたら、

 

「昔のバイト先の知り合い達ももう28とか29とかだから、もう結婚とか出産したりとかしてもおかしくないんだよね」

という話になり、話題は完全に結婚のことになった。

 

私は頭の中で、「今すぐ結婚しましょうか!!」ばっかり考えてたけど、必死に理性を抑えて、冷静に対応した。

 

 

 

 

「理想のプランとかある?」

 

 

必死に私の話にならないように先輩の周りの人達の話題にしていたはずなのに、私の話になってしまってびっくりした。え、理想のプランなんて今すぐ目の前でコーヒーゼリー食べてるあなたと結婚することですけど。今すぐ籍を入れに区役所に走りに行くことですけど。2人で住む家を探しに行くことですけど!??!!

 

 

とかなんとか答えると必死さがすごすぎて引かれそうだし何より私本人が引いた。

だからと言って具体的に「25歳位までに結婚して、子供産むなら30くらいまでかしら」とかいうと、年齢がリアルすぎてこれまた結婚意識のプレッシャーを与えすぎてしまうなと色々と考えた末、先輩と出会う前から散々言ってるプラン(というよりポリシー)を言うことにした。

 

 

「30歳までに結婚できなかったらもうしないって感じかなあ」

 

 

 

先輩がへえ、と言った後、なんか急激に笑い始めるので不思議だった。

 

「大体こうやって聞くと、25歳までに結婚して、30までに子供が欲しいとかよくあるパターンを聞くんだよね」

 

 

私の理想はまさにそれだよ!!よくあるパターンですよ!!結婚するならそんな感じがいいわ!!!若いうちにドレスも着たいし、年取ってからの子供は体力的にしんどそうだし!!!!「夢♡」とかいう頭お花畑理論を差し引いても、めちゃくちゃ現実的な理想のプランだと思いますけど!??!!

 

という興奮する脳内をステイさせて、「あ、私の理想もそんな感じですね〜〜」と余裕ぶって答えた。多分息は荒かったと思う。たぶんね。

 

 

 

「ただ、もちのはぶっ飛んでたけど」

 

 

「えっ、なんで!?」

 

 

超考えた挙句の結論だったのに、何故そんな事態になってしまった!?!!

 

 

「理想のプランっていってるのに、なんで最悪のパターンを考えて言っちゃうんだよ笑」

 

 

たしかに!と爆笑したものの、ハッとした。私が「妥当」を選んだのに、それは他人にとって「最悪」のパターンだったのだ。それくらい私は、放っておくとマイナスの方向に行きがちなのだ。他愛ない会話の中で学ぶことが多い。

 

 

「でも、その理想のプランを実現するためには逆算して、23くらいにはもう出会ってなきゃいけないんだよね」

 

と、いかにも理系的な意見を言われた。が、わかる、超わかる。わかるオブザイヤーノミネート。それ、女の中で結婚について話すと1回は必ず話題になりますから。大学時代、死ぬほど色んな友人と話しましたから。ただ、23の今になってより現実味が増してはいますが。

 

 

23の今、私は先輩と出会っているわけで、なんならさっきから言ってる通り結婚したいとも思っているわけで「じゃあ私の理想を叶えるためには先輩と結婚ですね♡籍を入れましょう♡区役所はあっちですよ♡」

そうやって答えたい。でも答えたらそっちは区役所どころか地獄行きの門になってしまう気がする。だから、またもや無い頭を必死にくるくる回して(これを空回りという)、「たしかにそうですね〜じゃあ先輩はどうですか?」という、同意と質問返しのラリーで終わらせた。

 

「んー、特にないっす」

 

 

「えっないんすか!?あるのかと思って聞いてきたんかと思ったのに!!?」

 

 

このやろう〜〜〜〜!!!????さっきまでの私のくるくる空回りを一瞬で叩き切りおって!???!!

 

そのあとは先輩の話にはならなくて、世間一般的な話になったりした。

年上の男と年下の女の組み合わせが多いから女の子の方が結婚は早いよね、とかそんな感じのなんとか。

 

あまりにも結婚の話が続くから、テンションが上がってきた私は、結婚願望あるんですか、って聞いてしまった。これであるっていうんなら私も乗ろうかと思ったから。あわよくば区役所デートでもしようかと。

そしたら、「んーどうだろうね」。

 

 

危ねえ〜〜〜〜聞いててよかった〜〜〜〜一人で大怪我するところだったぜフゥ〜〜〜〜!!!!!

 

だから私は前にも先輩が言ってた、「結婚に向いてない」話を始めた。

 

私は一人の時間へのこだわりが人一倍強いと思う。旅行なんてどんだけ仲良い友達と行っても、長期間常に誰かと一緒は本当に辛い。幸い、私の周りに「私もついてっていい?」とか言うタイプの子がいないので、助かっている。

数分でもいい。数分でいいから一人の時間が欲しい。

 

それに、喜怒哀楽が激しく、非常に気まぐれなので相手に合わせてあれやこれ、、、なんて生活は死んでも無理。勿論譲歩は必要なことくらい分かってるし、何も我を通しまくるぞ!!!と言うわけではない。が、理解はしてもらわないと困る。

さっきまで機嫌が良かったのに、すぐイライラするとか良くある話。人に当たることはしないけど、態度には出てしまうので、あーまたか、と流してもらわねばいちいち喧嘩になるしストレスになる。

そんなの理解してくれる人なんていないし、面倒でしょうがないと自分でもわかっている。

 

だから、私は自分自身が結婚に向いてないとはっきり断言することができる。子供も好きではないし(つーかむしろ嫌い)。

 

 

「私、前先輩も言ってましたけど、本当に結婚生活向いてないと思うんですよねえ」

 

わかる、くらいの反応で良い。

前先輩も言ってたし。だからこそ言おうと思った。

それくらいの反応で、さっさと違う話に移ろう。もう、結婚の話はやめましょう!!

 

 

「まあ、向いてないと思うのは俺もだから。向いてない同士だったら、分かり合えるからうまくいくでしょ」

 

 

 

えっはっえっ!!???えっ!!??、それはあのつまりえっ!!!???

 

…………プロポーズやん????(違う)

 

 

 

薄々感じてはいたけど、やっぱり私との結婚考えてないわけじゃないな?

確信を持った。前からずっと思ってはいたが、あくまで願望寄りの予想だった。

 

でも状況的にそうでしょ。

この流れだよ。

そうとしか言いようがないよね?

 

 

…頭お花畑かもしれないけど、今だけはそう思わせて欲しい。

 

 

そんなこんなで、今まで伺った既婚者・同棲中の家の話になった。

どこも寝室は一緒だった。私たちはお互いに寝室が別という条件だけは譲れない人間なので、あれらとは違う家を探さないとねって。

 

じゃあ2LDKくらいかあって話してたら、いきなりスマホを取り出して、「川崎で探してみよっか」って。

 

 

 

は!???!???私が言うならともかく先輩が言うの!!???エッ何!?同棲そこまで検討してるの!!??(多分違う)

 

 

2人で(住むわけではないが)物件を物色している時は本当に本当に幸せで爆発するんではないかと思った。

 

 

そのあとTwitterにタイムリーに回ってきた「同棲前チェックメーカー」的なのを2人でやってみたら、部屋が整理整頓されているか散らかりがちか、というところだけ両極端に分かれた(勿論私が散らかり放題)。あとは大体同じだったのに、

「あ〜これはダメだなあ笑」

とか言ってくるので、歩み寄ります!!悪いところだしなおしますよ!!と詰め寄った(必死)。

 

 

察して?女が嫌いらしく、そうではないです、むしろ理由を言っちゃうし全部態度に出ちゃうタイプなんで………と言ったら

「知ってる笑」と笑って返された。

 

 

 

カフェの中での会話は、ほぼ結婚と同棲の話しかしてなくて本当に楽しかった。頭わいてんなあ笑

 

 

 

2日目、私の家から先輩の家に移動し2人でゲームしたあと、キッチン解放の儀を行なった。

スーパーに行って調味料やらを買い込んだけど、先輩の「なんか同棲みたいだね」の言葉にすっかりころされてしまって、あまり記憶にない。

先輩曰く、私と先輩の家を合わせて「私の寝室まで徒歩10分の2D2K」という状態らしい。不便にも程がある。キッチン2つもいらんやろ。

そしてこれから週一で先輩の家でご飯を作って一緒に食べることになった。

最初迷惑かと思って先輩の出方を伺っていたのだが、そうでもなかったようで決まったらすんなり決まった。私の家のより狭いキッチンを改造するのに今は先輩が色々と考えてくれている。

 

「家を選んだ時はキッチンなんてどうでもいい、どうせ使わんから、という視点でしか見てなかったからなあ。まさかこうなるとは笑」

そう笑って、皿を洗ってくれていた。

 

 

寝室まで徒歩10分の2D2K生活、これを同棲と取るかは知らないが(多分取らない)、これから楽しんでいきたいなあと思う。

 

 

 

 

夜、超絶ノリで「籍入れて欲しい〜〜」と言ってしまったが、「俺は別に入れてもいいと思ってるよ」と返ってきて笑ってしまった。「プロポーズされてしまった」と言っていたが、プロポーズだけは受け身で行きたいかな!!